向いていないことと、能力がないことは違う
一つ前の記事で書いた部下の話。
昨年度まで別の部署にいたのだが、客からのクレームが多く、部署内でも他のメンバーとの折り合いが悪いということで、今年度から僕が面倒を見ることになった。
個々のプロジェクトの管理がうまく行っていないのであろうと考え、部下の出してくる資料を逐一チェックし、ちゃんと修正させた上でお客さんに提示できれば問題は解決するであろうと思っていた。
が、実際のところうまくいっていない。いや、お客さんに対しては、僕が最終的に説明しているので、表面上はうまくいっているが、僕の負担が大きすぎるのだ。
以前、上司からこの部下に対して「この業界、向いていないのでは?」と聞かれたので、確かにそう思った。しかし、よくよく考えてみると、そうでもないような気がしてきた。
たぶんに主観的な評価が入っているが、この部下は、
- 一通りの分析はできても、正しいかどうかの検証ができない。
- 分析しても見たまんまのことしか書けず、考察できない。
- 何のために分析しているのかも理解していない。
- 文章が書けない。おそらく頭のなかで整理できていない。
- 資料の全体的なストーリーが作れない。
- 前後のつながりを考えない
- 段取りができない。
- 説明がわかりにくく、聞いても理解できない。聞き直すと、自分で何を説明しているのかわからなくなって、説明ができなくなる。
- 資料に書いていないことを説明する。
- 人を説得しようとしない。
- 人の話を聞いていない。
- 聞かれたことに答えない。
- 指示を守らない。
- 期限を守らない。守れない時ときの打診や対応策の協議もない。
- 時間管理ができない。枝葉末節に時間をかけすぎている。
- 作業項目の管理ができていない。忘れている事案多し。
- 着手が遅い。その割にはよく慌てる。
- 勝手に作業を進めて、ほぼ全て手戻りが発生する。
そして、一番問題なのは、
- 上記のことを何度も指摘しても、一向に学習しない。
たぶん、向いていないのではなく、能力がないのだと思う。
特に学習能力が。
部下は旧帝大出のPh.D持ちなのだが、こういう能力で
どうやって論文を書いたのか本当にわからない。
出してくる資料がインターン以下なんだもん。
向く、向かないということで言えば、人との会話ができないので、
この業界というよりも、サービス業が向いていない。
僕の分野の専門知識を知らないのは、構わないのだけど、それ以前にどの分野でも共通する項目でこんなに問題を抱えているとは思わなかったし、前部署からも報告を受けていない。おそらくこういう分析もできていなかったのだろう。(勝手に作業を進めて、手戻りが発生する、というのは上司も指摘していたが)
彼と接してから、僕も叱ることが多くなって、性格が荒れ気味になっている。
自分でも叱り過ぎを痛感していて、対応策を考えなければならない。
来年度はどうしたもんかなあ。
コーチングなんてヌルいことはやってられないんだよなあ。
自分でやらせてみるという方針でやってきたけど、そのレベルにはなかった。
人材として使えるようになるためには、もう一つ一つコツコツ改善していくしかない。
細かく指示を出して、当面はできるだけ考えることをさせないしかない。
でも、それはアルバイトで済む話で、社員にやらせる話でもない。
今年度の仕事の納期が迫っている現時点の状況では、僕の容量から言っても難しい。
もう40歳を超えた人間なので、話が今更改善するとも思えない。
小さな会社で、こういう人材を教育するのは教育コストが高すぎると思っている。
採用ミスだろうなあ。