奨学金と大学
twitterを眺めて気になったこと。
えー?そりゃ卒業生が奨学金を返せる大学を選んで当然でしょう→奨学金問題に詳しい岩重佳治弁護士は「未返済率が大学を選ぶ材料になったり、誤ったイメージを抱かれたりする恐れもある」と指摘 / “奨学金の未返済率、大学別に公表へ 日本学…” https://t.co/DvY7wBkdxs
— 楠 正憲 (@masanork) 2016年3月18日
奨学金のおかげで誰が得してるかというと、しょうもない教育サービスしか提供できてないダメ大学の教授たち。ファイナンスがつかなくなって入学者が減れば社会的に無駄な事業への資源配分が最適化される。>奨学金の未返済率、大学別に公表へ https://t.co/t37k163yeD
— 田端 信太郎 (@tabbata) 2016年3月18日
奨学金が大学経営にどれぐらい影響しているのか、というところで、日本学生支援機構のIR資料を調べてみた。資料はこれね。(PDF注意)
これの7ページ目の学生数に対する貸与割合のところで、大学は平成15年が4.7人に1人だったのが、平成25年は2.6人に1人となっている。僕が大学生だった20数年前はこんなにいなかったよな、と思って、調べてみると文部科学省の資料が出てきた。
僕が大学生だった当時は10人に1人ぐらい。僕が通っていた大学は地元出身者も多く、下宿率が低かったので、奨学金をもらっているのはごく少なく、地方から出てきた人に多かったという印象がある。それが平成10年頃から急激に上昇し、文科省データでは、平成22年で35.9%、学生支援機構の資料では2.6人に1人だから38.5%となっている。
こんなに奨学金をもらっている人がいると、授業料収入に占める奨学金の割合も高いのであろう。
そして気になるのは、大学進学率である。平成2年時点で18歳人口が201万人に対して、大学入学者数が49万人、短大入学者数が24万人、計73万人。進学率はざっと36%ぐらいというところか。それが平成22年になると18歳人口122万人に対して、大学・短大入学者数が69万人、進学率は56.6%となる。
これをどう見るかだが、学生の偏差値分布が変わらないとすれば、日本学生支援機構のIR資料の8ページで、平均年収が低下してきていることを考えると、進学率が上昇しているのは、偏差値の低い人でも大学に行けるぐらいに、大学が増えた、もしくはレベルが下がったと見るのが正しいのではないかと思う。ちょっと端折るけど、昔なら大学に行けなかったような偏差値の低い人が奨学金をもらってまで無理して、しょうもない大学へ行っているという解釈はできないだろうか。
そこまでして大学に行く必要があるとも思えないし、大学に行ったなりの仕事に就いて、奨学金を返済できないようなら大学へ行くべきではなく、とっとと就職するべきだと思うのだが。ちなみに大学から大学院に対しても同じようなことは思う。社会に出てから大学や大学院で学び直すのもいいと思うんだよね。