溢れ出る加齢臭

カレー臭に加え加齢臭が溢れ出る年齢になりました。

亀戸の自転車道はそんなにダメか?

 東京都江東区亀戸の国道14号に今年設置された自転車道が自転車乗りの人達からかなり批判されているようだ。
 この自転車道は片側4車線の国道14号のうち第一車線に柵を設けて自転車道を造るものである。
 イメージ図ではきれいな柵になっているが、実際にできるものは仮設っぽいチープなシロモノである。
 この自転車道はかなり批判の的になっている。その理由として

  • 2mの幅員が確保されているものの、歩道側に側溝があることからここを避けると1.5m幅となるので自転車同士のすれ違いがしづらい。
  • 柵が仮設っぽい作りなので、自動車に突っ込まれると事故に巻き込まれる可能性が高い。(縁石で区切られているが)
  • 実質的に利用できる幅が狭いので、特にロードバイクは追い抜きができない(自転車道がある場合は、自転車は車道を走れない)。
  • 交差点で歩道と合流するため、走行性が低下する。

ということがあるらしい。
 まず1点目、2点目についてはちゃんと作っていれば、回避できた。ちゃんとというのは、

  • 自転車道部分は嵩上げして舗装し直す。
  • 柵はイメージ図のようなちゃんとしたものを作る
  • 側溝は車道の路肩に移す。

こうすれば、自転車道として2m幅をフルに使えるようになるので、すれ違いもスムーズになる。
 さて3点目なのだが、そもそも自転車道や自転車レーンでは追い抜きなどは想定していない。それどころかそもそもロードバイクは特殊な人々として見なしている。誰もいないところで練習をしてもらうのは構わないけど、普通の道路ではママチャリに合わせて走って下さいねというのが道づくり側のスタンスなのだ。
 つぎに4点目なのだが、これについては自転車乗りにとって大きな誤解があるように思う。それは自転車道を作るのは、自転車利用者に便宜を図って自動車から自転車へのモーダルシフトを進めることが第一目的ではなく、歩行者と自転車の事故を減らして自転車から歩行者を守ることが第一目的なのだ。
 その目的達成にあたっては自転車以外の主体の不利益を与えないことが前提にある。
 歩道を狭めると沿道住民(商店主)、市民団体、障碍者団体が黙ってないだろうし、車道上の自転車レーンにすると自転車対自動車の事故が増えるので、場合によっては行政や警察の瑕疵が問われるだろう(トラック団体あたりから)。
 自動車対自転車と歩行者対自転車の事故件数の違い、自転車事故の発生場所のデータを見ると、自転車を車道に出すとは警察としては言いづらい。警察官も足りないという状況*1の中で、始終取締はできないだろう。
 そう考えると、限られた予算とスペースの中で自転車道を作る方法として亀戸で採られた方法は現実解としてやむを得ない。全国のほとんどの道路はこのような自転車道整備ができないのだ。

*1:でなければ、交番相談員なるOBが手伝うということはないだろう