着服した金を競馬につぎこむと、いくら使えるのか?
以前、確か会社の経理担当の人間が3億7千万円のお金を着服して競馬につぎこんだというニュースがあった。3億7千万円分も馬券を買うと、何通りかは買うだろうから、まったく当たらないということは考えられない。だから3億7千万円分も使いきろうとすると、馬券を買う総額は3億7千万円よりも多くなることが容易に想像がつく。
では、いくら馬券を買えば3億7千万円を使いきれるのだろう?
競馬の控除率は25%であるので、回収の期待値は75%である。したがって3億7千万分の馬券を買えば、平均して2億7750万円分の配当が得られる。そこでこの2億7750万円の配当をすべて馬券購入に当てる。そうすると次はおよそ平均2億800万円の配当が得られる。これを続けると、いつか所持金はゼロになるだろう。
最初の所持金をX円とすると、X円の所持金を使い切るため購入する馬券総額は無限等比級数の和の公式より、
となる。つまり所持金の4倍分の金額の馬券を購入することになる。3億7千万円を横領すると、14億8,000万円分の馬券を購入しないとお金を使い切らないのですね。もちろん高額の配当は税金を支払う必要はあるのですが、着服した金で税金の申告はしないと思うので、税金は考えないことにしました。