日常の英語化の有効性に疑問はあるけど、しないよりする方がよい
- 作者: 小川仁志
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/02/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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英語の勉強法としては、日常生活を英語化しようという主張で目新しいところはない。理解できるレベルから始めるということと、多読を推奨していることから、勉強法としてはSLAになるのではないか。ただ、読み書き聴く話すの基礎となる語彙や文法の勉強に関しては言及がない。辞書は常に携帯するべきという記述があるので、出てきたフレーズを辞書を調べながら覚えていくということになるのだろう。テストを意識せず、自分の好きなことをやりなさい、という主張。
果たしてこれで1年で喋れるようになるのかは疑問がある。筆者はアメリカから帰ってきて1年で喋れるようになったと言及しているが、それではアメリカではどうだったのか。プリンストンで一年間在外研究をしており、その前にも一年間英語を勉強していたと冒頭で記述している。その蓄積があったからこそ、帰国後の一年で日常を英語化する程度で喋れるようになったのではないだろうか。
子どもならまだしも、ある程度の年齢の大人なら、文法を知った上で、日常の英語化をしないと、単語は調べてわかっても意味がわからないということになりかねない。
ぼくも勉強は嫌いだ。単語や文法を覚えるのは嫌だ。英語を読めるようになるために、単語や文法を必死に覚えるのは、料理ができるようになるために、砂を入れたフライパンを振る練習をしたり、大量のキャベツを千切りしたりするのにも似ている。プロになりたいのではないから、四の五の言わずに、作ってみればよいのだ。調べながら作る。おそらく英語も同じなのだろう。英語を読みたいのならまず読めばよい。ただレベルには合わせなさいよ、と。
調べ物は好きだけど、暗記勉強が嫌いな僕には、モチベーションを高めるという点で有用な本であった。ただ、初学者用の平易な物語は面白そうに思えないんですよね。それを読むぐらいならアメフトのニュースを追っかけていたい。