溢れ出る加齢臭

カレー臭に加え加齢臭が溢れ出る年齢になりました。

manacaのポイント制度について調べてみた

2011年2月、つまり来月から名古屋の公営交通や私鉄などで導入予定のICカードサービスmanaca(マナカ)はポイント制度があるらしいということなので調べてみた。

名鉄電車

利用回数と運賃それぞれについてポイントがつき、1ポイント=1円で1000円ごとにチャージ券が発行される。利用回数と利用料金それぞれのポイント付与は以下のとおり。

1ヶ月間の利用回数に関するポイント還元

1ヶ月間の利用回数に応じて、1ヶ月間の総支払運賃に対して、以下の割合で還元される。

利用回数 付与率
0回〜10回 0%
11回〜40回 3%
41回以上 6%
1ヶ月間の運賃に関するポイント還元

1ヶ月間の支払運賃に対して、以下の割合で還元される。

利用金額 付与率
0円〜2,000円の部分 0%
2,001円〜5,000円の部分 2%
5,001円〜10,000円の部分 4%
10,001円〜20,000円の部分 6%
20,001円以上の部分 8%
計算例

これだけではわからないので、自分の場合を例にとって、計算してみる。とりあえず1ヶ月に以下の回数だけ利用したとする。

運賃区間 往復数 乗車回数 利用金額合計
180円区間 10 20 3600
220円区間 3 6 1320
合計 13 26 4920

このとき、

  • 乗車回数26回に関する付与率3%なので、4920*3%=147pt(端数切り捨て)
  • 利用運賃に関する付与率2,001円以上5,000円以下に対して2%なので、(4920-2000)*2%=58pt(端数切り捨て)

したがって、58+147=205pt=205円となる。これは支払運賃の約4.2%となる。

名鉄バス

1ヶ月の支払運賃に対して2%のポイント付与があり、以下のキリのよいところでボーナスポイントがつく。

支払運賃 ボーナスポイント
2,000円 +50p
5,000円 +100p
10,000円 +150p

これを見るとわかるように、支払運賃が5,000円ぴったりのときと10,000円ぴったりのときが実質ポイント付与率が高い(5%)。ついで2,000円のときが4.5%となる。ちなみに4,999円(そんなことはありえないけど)のときは3%。4,900円以上5,000円未満の利用額なら、1区間でももう1回乗ったほうが得だ。

名古屋市営地下鉄・名古屋市バス

こちらは、利用運賃でポイント付与率が決まる。
平日の朝・夕については以下のとおり。

市バス・地下鉄の
1か月間の利用金額合計
(大人用)
市バス・地下鉄の
1か月間の利用金額合計
(小児用・割引用)
ポイント率
15,000円以上 7,500円以上 13%
10,000円以上15,000円未満 5,000円以上7,500円未満 12.5%
5,000円以上10,000円未満 2,500円以上5,000円未満 12%
2,000円以上5,000円未満 1,000円以上2,500円未満 10%

平日の昼間、土日休日ダイヤの日については以下のとおり。

区分 1か月間の利用金額合計
(大人用)
1か月間の利用金額合計
(小児用・割引用)
ポイント率
市バス 2,000円以上 1,000円以上 30%
地下鉄 2,000円以上 1,000円以上 20%

一見、よさそうな還元率に見えるが、落とし穴はある。

(注)利用金額合計は1,000円(小児用および割引用は500円)単位とし、1,000円(小児用および割引用は500円)未満の端数は(平日朝夕の場合は)切り捨てます。(平日昼間・土日休日ダイヤの日については)通常ポイントの対象となる利用金額に合算します。また、利用金額合計が2,000円(小児用および割引用は1,000円)未満の場合も同様です。

つまり平日朝夕については1ヶ月の利用金額が2,999円ならば、2,000円*10%=200ptしかつかないので、ポイント付与率は約6.7%にまで落ちる。


平日昼間、土日休日ダイヤでも1ヶ月の市バス利用金額が2,999円ならば、2,000円*20%=400ptしかつかないので、ポイント付与率は約13.3%となる。


また、平日朝夕と平日昼間、土日休日が別のポイント計算になることに注意が必要だろう。とは言え、名鉄よりはポイント付与率は全般的に高い。

現行のSFパノラマカードやユリカ、回数券との比較

現在、名古屋市交通局名鉄電車、バスには共通仕様のプリペイドカードシステムであるトランパス、カード名はSFパノラマカード名鉄)やユリカ(名古屋市交通局)がある。これは昔懐かしい東京のパスネットや関西のスルっとKansaiの名古屋版なのだけど、パスネットやスルっとKansaiと違うのは購入額以上の金額分の利用ができるのである。
1,000円のテレホンカードが1,050円分の通話ができたように。電車の回数カードのような扱いだったのだ。僕が知っている範囲で言うと大阪市交通局の地下鉄・市バスの共通回数カードが確か3,000円カードで3,300円分使えた記憶がある。このSFパノラマカードやユリカ、および回数券の利用可能金額を整理してみる。

カードの種類 購入金額 電車・バス利用可能金額 割増率(ポイント付与率)
1,000円カード 1,000円 1,000円分 0%
2,000円カード 2,000円 2,200円分 10%
5,000円カード 5,000円 5,600円分 12%
昼間割引カード
(地下鉄のみ、平日昼間・土日休日)
2,000円 2,200円 20%
回数券 10枚分 11枚分 10%

manacaは得なのか?

ショッピング利用のポイント付与率がどうなるかはわからないが、現行のプリペイドカードと比較すると明らかなように、結論から言うと、おそらく損だろう。遠距離通勤の人で、通勤定期を利用している人にとっては、定期券よりも安くなるケースがあるかもしれないという程度じゃないかと思う。


僕の場合は、名鉄に関してはほぼ180円区間か220円区間しか乗らない。市バス・地下鉄についても1ヶ月に10回も乗らないし、乗るとしても市バス200円か地下鉄230円区間に乗るだけだ。そう考えると、manacaを買うよりは、2012年2月29日までのトランパスの利用期限までは、5,000円カードを買い占めて使い続ける方が得だと思う。ちなみに回数券は現在、名鉄のみで発行しているが、それも2012年2月29日で発売を終了する。回数券の利用期限は3ヶ月なので、終了日までに向こう3ヶ月分に使用するであろう区間の回数券を買い占めておくのが賢い。

もしmanacaに移行するとしたら、その条件は?

もしmanacaの方が得かもしれないケースがあるとすると、ショッピングポイント、および2012年度以降に予定されている他のICカードシステムとの相互利用によるポイント付与だろう。


このうちショッピングポイントについては、既に僕はEdySuicaで買物をしているし、クレジットが使えるところではほとんどカード払いをしている。したがって、manacaがよほど便利にならない限り、もしくは現行のクレジットカードのポイント還元率がありえないほど下がらない限りはmanacaでショッピングをすることはなさそうだ。
もう一つの他のICカードシステムとの相互利用だが、上述のように僕はSuicaを保有している。これは東京やつくばへ出張する際に使用しているカードで、それも自動改札機でのオートチャージに対応したビックカメラSuicaカードである。ポイント付与率は当初の1%から0.5%に下がってしまったので、付与率のメリットはなくなってしまったけど、もともとSuicaはポイント還元がない上、プリチャージしなくても使えるので、首都圏の電車、および名古屋でのJR利用にはSuicaを使っている。もしmanacaSuicaPasmoと連携し、SuicaPasmo区域での利用金額が、名鉄もしくは地下鉄と合算してポイント付与されるのならば、manacaに転向してもいいかもしれない。合算せずに相互利用区域の利用金額には別途、ポイント付与率が適用されるのならば、移行コストに対するメリットは薄いので、manacaは使わないだろうな。それでなくてもパスケースに2枚ICカードを入れると、改札機で反応してくれないから。