溢れ出る加齢臭

カレー臭に加え加齢臭が溢れ出る年齢になりました。

速読の体験セミナーに行ってきた

 先日、某速読教室の体験セミナーに行ってきた。そこでやったことと言えば、概ね以下の4項目か。

  • 速読の概要、意義などの説明
  • 当初読書速度の計測
  • 簡単なトレーニング
  • トレーニング後の読書速度の計測

 サンプルとして用いた文章がひらがなが多く、僕の知っている内容の文章だったこともあって、当初読書速度の計測では、本を読まずにフレーズ単位で見ていったところ、分速換算で3,500文字/分という速度が出てしまった。講師の先生はすごいですねと仰っていたが、本人としてはアチャーという感じである。


 速読というものは、読みながら理解するというプロセスを、読まずに

  • 一目でできるだけたくさんの文字を見る
  • 早く目を動かして一冊の本に目を通す速度を上げる
  • 見た文字を脳内で順番通りに再構築して、しかも早く意味として認識、理解する

というプロセスに分解して、それぞれの速度をトレーニングによって上げるというものだと理解している。


 僕の場合は、仕事柄大量の文書を読む場面もあるのと、プライベートでもブログやらtwitterなどで大量の文字を見ているので、一字一句読むのではなく、フレーズ単位で見ていることが多い。映画の字幕をぱっと見てどういうことを言っているかを認識するような感じで。


 だから、話すように書いた文章や、僕が内容があらかたわかる文章は読むのは早い。本屋の立ち読みでも10分ぐらいで見てしまう。そういう本は「改めて読むほどの本じゃないな」ということで買わないんだけど。


 僕の悩みというものは、僕の理解スピードが遅いので、専門書の読破に異常に時間がかかってしまうことである。知らない内容の本や専門外の分野の学術書、法律の条文などを読むと、目を通しても理解が追いつかず、繰り返し目を通してもわからないので、それこそ一字一句読んでしまって、時間がかかってしまうのだ。仕事上速読が使えるためには、このような本ができるだけ早く読めるようになりたい。


 一目でたくさんの文字を眺めたり、目を早く動かしたりするのは、目のトレーニングで向上するのだろう。速読の流派によっては目のトレーニングを否定するようなものもあるようだけど、僕はトレーニングの必要性はあると思っている。


 講師の先生の話を聞いている限りでは、目のトレーニングをしてもそれだけで頭が良くなったり記憶力がよくなったりするわけではないので、理解速度の向上は眼のトレーニングではなんともならないのかもしれない。脳に語彙を構築して知識を蓄えることでしか理解速度を上げる術はないのだろう。僕の場合は仕事上で理解して使えればよいので、基礎的なところをできるだけ省略して実践的な必要な部分のみをじっくり理解しようとするので、時間がかかってしまうのだが、速読的な考え方に従うと、遠回りと思ってもその分野の基本的な書籍から順次読んで、知識を積み上げていく方が理解速度が上がって速読ができるということになるのだろう。


 速読を実際に受けようとすると、10万円程度かかるようである。速読をマスターするにはインストラクターから指導を受けることが重要だとも言っていた。確かにそれはそうだろう。本で書いてあるトレーニング方法を実際にやろうとしても細かい部分でやっていることが正しいのかどうかはわからない。セミナーでも講師が指示した動きが正しいのかどうかあとで僕は質問したぐらいだから。


 しかし、僕の速読上のネックは理解速度であり、それは速読指導を受けるよりも本を読んだ方が近道のような気がしている。1冊2,500円の専門書なら40冊は買えるのである。同じ10万円を費やすのならトレーニングのために興味のない文章を見るよりはその分、本を読んだ方がいいような気がしている。


 専門書なので字も小さく、数式もあったりするので速読トレーニングにそもそも向かないんだけどさ。