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新幹線栗東新駅は必要か?

新幹線新駅計画など3氏が見解、滋賀県知事選前に公開討論(京都新聞電子版)
 
記事が消えてしまう可能性があるので、全文引用する。

滋賀県知事選が15日に告示されるのを前に、立候補予定者を招いた公開討論会が4日、野洲市の野洲文化ホールであった。国松善次知事(68)、県労働組合総連合議長の辻義則氏(59)、京都精華大教授の嘉田由紀子氏(56)の3人が、争点となる新幹線新駅計画や県の行財政改革など7つのテーマごとに、解決への道筋や見解を述べた。
 
 市民団体などでつくる実行委員会が主催した。同志社大大学院の新川達郎教授が進行役を務め、約600人が参加した。
 栗東市内で着工した新幹線新駅について、国松氏は「(京都と米原の)駅間が68キロと日本一長く、利用しにくい。造らなければ悔いが残る」と推進の立場を示した。辻氏は「優良企業(のJR東海に)になぜ県民が240億円の税金を寄付する必要があるのか。納得は得られない」と中止を訴えた。嘉田氏は「立地条件も悪く、需要も見込めない。次の世代に借金と利用されない施設を残しかねない」と在任中は凍結する考えを示した。

 
ここで候補者3人がそれぞれの見解を述べているのでそれぞれ突っ込んでみる。
 

辻氏の意見「優良企業(のJR東海に)になぜ県民が240億円の税金を寄付する必要があるのか。納得は得られない」

 
 なぜ全額地元負担で新幹線の駅を作るのか?

 それはJR東海にしてみれば、栗東新駅をつくる必要などほとんどないからである。
 
 JR東海が自費で駅を建設することのインセンティブは、新駅設置によって新たな需要が生まれることであるが、栗東新駅を作ることでは残念ながら新たな需要は生まれにくい。
 なぜならば、新幹線を使用したい人のほとんどは既に使っているからである。
 利用したければ、米原もしくは京都から新幹線に乗るのである。
 ここで仮に東京へ行く人のほとんどが京都から新幹線に乗っていたならば、栗東から乗ることによって運賃と新幹線料金の減収を招く。米原から栗東に移ったとしても、新幹線料金がわずかに増えるだけで、大きな増収には繋がらない。
 新たな需要とは、駅を作ることによって、新たに東京や福岡へ行く人が増える、もしくは今まで夜行バスや飛行機を使っていた人が新幹線利用に変えることである。しかし、滋賀県という立地から考えると、空港までは遠いので、新幹線が使えるところならば間違いなく新幹線を利用するであろう。むしろびわ湖空港ができたところで、新幹線から利用者をどれだけ奪えるかが問題だ。
 
 そうまでして、JR東海にメリットが低い駅を作ってもらうには、県民が建設費を全て出し、かつ駅周辺の開発により(県外からの)新たな企業立地などが増えるということにしておかなければならない。それであってもJR東海にとっては駅員配置や施設の維持管理などで費用がかかるため、やりたくないはずである。
 

嘉田氏の意見「立地条件も悪く、需要も見込めない。次の世代に借金と利用されない施設を残しかねない」

 
 これはなんとも言えない。それなりに需要はある。予測方法がそれほど精緻でなければ、数字を舐めなくとも、ある程度の需要は予測できるだろう。したがって駅単体に関する便益も生まれるであろう。
 ただし、開発が行われない限りは、京都と米原の需要を奪った結果の利用であり、利用されても県民全体としての経済的な便益の少ないものになるのではないかと思われる。
 

国松氏の意見「(京都と米原の)駅間が68キロと日本一長く、利用しにくい。造らなければ悔いが残る」

 
 普通に考えてみると、新駅に停まる新幹線はこだま1本とひかり1本、いずれも各駅停車であろう。東京方面へ向かう場合、次の米原で後続ののぞみもしくはひかりに追い抜かれる。そして、名古屋でのぞみに乗り換えて東京に向かうことになる。なんか不便じゃない?それならば、京都まで行ってからのぞみに乗った方がましなんじゃないかと他所の人間は思うわけです。戻るのが面倒なら、東海道線沿線であれば、栗東新駅に行かなくても米原で十分ではないかと思うのです。
 
作らなければどういう悔いが残るのかはわからない。
 
 が、これを開発のチャンスと捕らえるのならば、その機会を逃すことに対して悔いが残ると言える。なんらかの利権が絡んでいるんですかねえ。
 対立候補の方々、突っ込むのはココですよ。
 

では栗東新駅は必要なのか?

という質問については、なんとも言えません。県民が新駅設置の負担額が見合うと思えば作ればいいのです。
 240億円を地方債で調達した場合、金利が1.5%だとすると10年間で金利含めて278.5億円ほど返済する必要がありますね。実際には各自治体で費用負担比率を決めているはずですが、強引に草津市栗東市守山市野洲市など新幹線新駅の圏域人口が50万人で均等に負担すると考えると、住民1人あたり年間5,600円×10年間支出すればいいわけです。これが妥当かどうかを判断するのは有権者自身です。