溢れ出る加齢臭

カレー臭に加え加齢臭が溢れ出る年齢になりました。

大都市圏以外の鉄道強化に意味はあるか?

東奥日報の社説:奥羽線複線化/忘れては困る県土の動脈
http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2005/sha20050707.html
 ちょっと仕事がらみのネタを考えてみた。
 鉄道やバスという交通機関は「公共交通」と総称されることで、地域の活力向上のため「公共」が整備・維持すべき物という認識がある。しかし、英語では通常、"Mass Transit"と訳されるように、大量交通機関であり、多量の交通を共同で運ぶことで、コストを低減する機関であるからして、利用されない公共交通ほど無駄なものはないのである。
 経営資源の効率化という視点に立ってみると、鉄道はバスに比べて、専用の敷地、設備が必要である代わりに、大量輸送という面でメリットがある。しかし、大量輸送面のメリットは都市圏内の輸送、もしくは大都市間の輸送でしか発揮されない。そういう意味で、大都市圏以外では鉄道の強化に経済学的な意味合いが見いだせない。B/Cは著しく低いのではないかと思われる。日本では都市部でのバス、地下鉄以外、純然たる光栄交通が存在しないことで、形式上、公共性を無視しても収益性を高めることができる形態となっている。そういう交通企業にとって、これ以上の鉄道強化を図る理由はどこに存在するのかどうかわからない。
ところで、
 本来、鉄道はバスに比べて土地や施設を必要とし、車両コストも高いので、地方部ではバスに比べて鉄道の方が運行費用は高いような気がするのだが、運賃はバスよりも鉄道の方が安い場合が多い(赤字ローカル線の廃止の議論において、往々にして「バスになると運賃が高くなる」という意見が出てくる)のはなぜだろうか?