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名古屋市自転車利用環境整備基本計画

自転車は、日常的な短距離交通の移動においてニーズの高い交通手段であり、環境負荷が低く、都市空間を有効利用可能な交通手段である。名古屋市ではこの自転車の利用促進を図るため「自転車利用環境整備基本計画」を策定した。
この計画は5つの章、1.道路交通状況の現況、2.まちづくりのビジョンと自転車利用促進の位置づけ、3.自転車利用環境整備実現に向けての課題、4.自転車利用環境整備の基本方針、5.自転車利用空間整備(ハード)の施策から構成されている。

道路交通状況の現況

名古屋市では自転車交通に係る道路交通の現況を、1)道路整備状況、2)交通事故状況、3)自転車等駐車状況、4)市民の自転車利用意識の4つに分けて整理している。各項目を以下に簡単に述べる。

1)道路整備状況
名古屋市の都市計画道路は計画の8割以上の改良が終了している。これは他の政令指定都市と比べて整備が進んでいる。但し、これは道路全体を対象とした数字であり、この中で自転車レーンがどの程度整備されているかは明らかにされていない。
2)交通事故状況
平成元年から平成13年までの間に1年間の死者数については35%減少している一方で、負傷者数は57%増加している。
3)自転車等駐車状況
平成13年で1日当たり約145,000台の駐車があり、このうち105,000台が放置禁止区域に駐車している。さらにそのうち13%にあたる13,400台が放置自転車である。
4)自転車利用意識
歩行者と自転車の分離や交差点部における安全対策や交通安全意識やマナーの向上のための啓発活動が必要である。

まちづくりのビジョンと自転車利用促進の位置づけ

平成12年9月に「名古屋新世紀計画2010」を策定し、この中で、循環型環境都市を標榜するため、環境にやさしい交通体系の形成を進める一環として自転車利用の適正な促進を挙げている。実現のための施策として、1)自転車走行空間の整備、2)利用マナー等の啓発活動、3)自転車駐車場の整備、 4)大規模施設の自転車整備を挙げている。
これを受けて当計画では、自転車を1)短・近距離の移動に適した交通手段、2)近・中距離の移動において、鉄道、バスなどの公共交通手段を補完する私的な交通手段として、都市交通の中で積極的に位置づけている。
さて、ここで気になるのは距離の概念である。近・中距離とはいかほどであろうか?大まかな個人的な感覚としては、短距離:2km以内、近距離: 2〜10km、中距離:10〜100km、長距離:100km以上であろうか。そうなると、近距離までなら確実に自転車を使うし、名古屋市内の移動は自転車で可能である。その意味では、私にとって自転車は、鉄道、バスなどの公共交通手段を「代替する」私的な交通手段である。
そのような個人的な感想は別として、「自転車の利用促進」と書かれているが、誰の利用を促進するかと言えば、2通りしかない。それは、1)そもそもの外出回数を増やして自転車を利用してもらうこと、2)他の交通手段を使っている人に自転車を使ってもらうこと、の2つである。このうち、2)を考える場合、名古屋市の目指すところから考えれば、「他の交通手段」とは自動車とオートバイであることは明白である。しかしながら、都市内の移動において、特に混雑の少ない名古屋においては、駅・停留所のアクセス・イグレス時間及び待ち時間のロスが響くため自動車やオートバイ利用よりも公共交通利用の方が時間がかかると思っている。従って自転車の環境整備を行っても自転車利用は増えない。自転車は補完する手段として既に使われているのであり、自転車は鉄道、バスを補完する手段と位置づけると自転車利用が促進されるとは到底思えない。

自転車利用環境整備実現に向けての課題

自動車利用環境整備の検討にあたっては、大きく3つの視点、1)都市交通機関としての自転車、2)安全性の確保、3)利用しやすい自転車走行空間、により整理している。

1)都市の交通機関としての自転車

  • 交通拠点へのアクセス性向上
  • 都心部及び郊外部での自転車利用空間ネットワークの構築
  • 自転車駐車場・自転車走行空間の整備
  • 自転車と歩行者、高齢者、障害者等との共存

2)安全性の確保

  • 交差点部での安全な交通処理
  • 歩道上での歩行者と自転車の分離
  • バス停付近での安全性向上
  • 安全教育、交通マナーの啓発

3)利用しやすい自転車走行空間の確保

  • 路面の舗装材の検討
  • 線形構造
  • 段差
  • 道路付属物等の関係
  • 啓発サイン等

自転車利用環境整備の基本方針

1.自転車走行空間の整備促進

  • 歩行者との分離による安全性の向上

2.自転車利用空間ネットワークの整備促進

  • 交通結節点、駅及び都市施設等を自転車走行空間でネットワーク化

3.自転車駐車場の整備促進

  • 公営駐車場の整備、及び自転車駐車場附置義務条例制定をも視野に入れ、徒歩や他の公共交通機関の選択を含めた適正な需要に対応した駐車場整備促進

4.利用者マナーの指導・啓発

  • 交通安全教育などによる意識啓発

5.自転車等放置禁止区域の指定・拡大、有料化の推進

  • 駅周辺の自転車放置による、歩道の機能障害の排除

6.業務用自転車の導入促進

  • 行政から率先して浸透させていく

自転車利用空間整備の方針

  • 既存道路ストックの有効活用を念頭に、歩行者・自転車交通量の多い路線や公共交通機関・交通拠点などの条件を勘案し、コリドー路線を形成
  • 「自転車で出かけたくなるような、安全で快適な道路づくり」をめざし、コミュニティ路線を整備
  • 既存の道路ストックの活用、及び段階的な整備の方法を考慮しながら、基本的な空間確保に向けて整備を推進

自転車利用空間の断面パターン

1.自転車・歩行者を完全に分離するタイプ

  • 自転車走行空間、自転車道を植栽帯等により歩行者と分離するとともに、植栽帯等により自動車とも構造的に分離し、安全性を確保

2.歩道上で自転車・歩行者が共存するタイプ(広幅員歩道の場合)

  • 歩道上での自転車と歩行者の共存にあたって、植栽帯などで歩行者と構造的に分離

3.歩道上で自転車・歩行者が共存するタイプ(狭幅員歩道の場合)

  • 歩道上での自転車と歩行者の共存にあたって、幅員が狭いため、マーキング等により、視覚的に分離

このマーキングだが、自転車用とはっきり明示しているところが少なく、単なるデザインにしか見えないという問題、更に舗装材を変化させて区別をしようとしているのですが、この舗装材のおかげで走りにくいったらありゃしないという状況にある。普通に走っているのに常にパンクを気にしなければいけないっていうのは如何なものか?個人的には、基幹バスレーンに使われているカラー舗装が路面抵抗が少なくて走りやすいと思っている。(但し雨だと少し滑るかもしれない)
既に自転車の走行帯が明示されている環状線や空港線において、現状、歩行者も自転車も無視して通行しています。つまり仕切り線程度では意味が無く、ハッキリと縁石ブロックを積むことで歩行者と自転車の区別をすることが必要である。

自転車利用空間整備(ハード)の施策

自転車利用空間とは、走行路の整備である。ここでは幹線的に利用されるコリドー路線と市内の各地域内での自転車利用を促すためのコミュニティ路線の2種類を定義している。


これに従って今後、是非とも整備を進めていって頂きたいところですが、この計画書の中では、駐輪と啓発の方策は記述されていない。
駐輪は放置禁止区域が指定され、駅の駐輪場なども整備されている。しかし、街中の駐輪問題は手つかずではないであろうか。しかし駅のように大きな駐輪場を作ればよいという問題ではない。自転車が持つ駐輪の容易性を最大限に活用するためには、街角の駐輪スペースを整備するべきである。なにも正式な駐輪スペースを作る必要はない。歩道に駐輪用の柵を設けるだけで良い。こうすることで、自ずと駐輪の向きは限定され、自転車が氾濫して歩行を妨げることにもならない。放置が発生するのであれば、時間帯を限定して利用可能にして、それ以外の時間帯は強制撤去にでもすればよい。