溢れ出る加齢臭

カレー臭に加え加齢臭が溢れ出る年齢になりました。

インド料理教室 in 神戸 〜渡辺玲さんを迎えて〜 (その2)

その1からの続き。

 定刻の9:30を少し遅刻して会場入りしたが、まだ人数としては半分もいない状態だった。荷物を置いて、カメラを首から下げ、エプロンを着て、エプロンの左ポケットに布巾3枚、右ポケットにiPhoneとメモ帳とペンを差した。今回の料理教室は自分のためにということもさることながら、名古屋の南インド料理食事会で実践し、メンバーに対して還元しなければいけないので、自己満足で終わらぬよう、吸収できるものはできるだけ吸収するために、メモを撮ろうと思ったのである。
 講師机の上には各テーブルに渡すスパイス類がまとめられている。テンパリング用だろうか。

 各テーブルには今日の料理で使う食材が並べられている。

 とりあえず、話を聞く。

今日のメニュー

 メニューとレシピが配布された。メニューは以下の4つ

  • 南インドのチキンカレー

 トマトとココナッツミルクベースのチキンカレー。ココナッツミルクはパウダーをぬるま湯で溶いて作る。

  • 里芋の南インド式香味炒め

 本来はインドのヤムという芋で作る料理らしいのだが、日本の里芋がそれによく似ているのでこれを使う。里芋がゆであがったらスパイスを絡めて炒めればよく、ゆであがった後は皮剥きを入れても10分程度でできるらしい。

  • レモンラッサム

 通常のラッサムはにんにくを利かせた、塩、胡椒、サンバルパウダー風味のスープだが、今回は豆、それもラッサムで通常使うトゥール・ダルではなくムング・ダルを煮ることで作るラッサム。スパイスはマスタードシード、クミンシード、ヒングを使うそうだ。

  • トマトライス

 炊いたご飯と煮詰めたトマトを混ぜることで作るトマトライス。混ぜて作る方法と炊き込んで作る方法の2種類があるらしく、今回は前者の方法で。インドではこういう混ぜご飯は多く、レモンライス、ゴマライス、ナスライス、ココナッツライス、タマリンドライス、カレーリーフライス、コリアンダーライスなんてのもあるらしい。
 あと、時間があったらチャイも用意したいとのこと。
 どれも今まで食べたことのない料理で楽しみだ。僕の目的からすると、ド定番のサンバルやラッサム、トーレンを教えてもらった方がいいという見方もあるけど、幅を広げるのもいいと思うし、料理を通じて食材の扱い方やスパイスの扱い方の秘訣を学べれば、他のメニューにも活かせるだろう。

下ごしらえ

 はじめに先生の指示で全ての食材の下ごしらえに入る。鶏肉は今回の実行委員会の方が既に骨付きのモモ肉を一口強の大きさにカットし、皮を外してくれていたので、野菜のみこしらえる。こしらえたのは、トマト、タマネギ、里芋、にんにく、しょうが、コリアンダー(香菜)、青唐辛子。ここでのポイントは以下のようなことらしい。

  • タマネギはみじん切りと千切り。みじん切りは粗みじんよりもやや細かい程度のみじん切りで。千切りは繊維方向で1/4にしたものを繊維と直角方向に薄く。
  • 里芋は皮付きの状態でまずゆでる。ゆであがった状態でヘタと反対側をカットすると、中身を押し出すことで皮をニュルっと外すことができる。
  • コリアンダーは根と茎と葉の部分を分けてみじん切り。タイ料理では葉を大きめのみじん切りにするけど、南インド料理ではできるだけ細かくしても良い。茎と葉を分けると言っても厳密に分けるのではなく、上下で分ける程度でいいらしい。
  • 青唐辛子はへたをとってかじってみると辛さがわかる(笑)。縦に3つぐらい割くように切り込みを入れる。種をとっておいてもいいそうだ。青唐辛子は辛さを出すために使うのではなく、香りを出すため。
  • 北インドでは青唐辛子がなければししとうで代用するが、南インドでは使わないという選択もあるそうだ。

 次にココナッツパウダーをぬるま湯で溶く。日本で売っているものではほとんど出ないそうだが、現地で売っているパウダーを水に溶くと、上澄みで脂が出るかもしれないとのこと。僕が使っているパウダーはハラル・フード・ストアで買ってくるものなので、脂が出るかも?
 写真は青唐辛子について説明する渡辺玲先生

 野菜を切り終わったとこと、ココナッツパウダーをぬるま湯に溶いたところ。

チキンカレー調理開始

 チキンカレーのベースのタマネギの炒めと、レモンラッサムの調理に入る。僕がいた調理台は一番前だったので渡辺先生がデモンストレーションとして実際にやってくれることが多かった。こうやってスパイスの説明をしてくれたり。

 タマネギを下左の写真のように炒め始めて、しばらくすると下右のように変わった。

タマネギの色がつくまで炒めるということだったので、これでいいのでは?と勝手に思い、先生に尋ねたところ
「全部計算して指示しますので勝手に判断しないで下さい」
とのこと。はあ、すいません。ただ、初心者が陥りがちなのか、改めてタマネギの色についてご説明くださったところでは上右の写真で6割程度らしい。タマネギはずっと強火で炒めて、水が出てちょっと茶色みが出たところで火を弱めれば良いらしい。結局、下のような状態まで炒めた。

 ちなみに、隣の調理台はもっとタマネギを炒めたらしく、下のような状態になった。これでも炒めすぎということはなく、これぐらい炒めてもよいそうだ。

 ここににんにくと生姜のすりおろしを混ぜて、コリアンダーの根っこを入れて混ぜた後、青唐辛子を混ぜる。その後トマトのみじん切りが入れてトマトがつぶれて水が出るまで1〜2分強火で炒める。その後は弱火でよろしく。

 で、こんな感じになったところで、スパイスと水を少量入れてベースを伸ばす。スパイスは1種類入れたらかき混ぜるという行為を繰り返す。水を入れる前にスパイスを油を混ぜることでスパイスの粉っぽさが消える。
 そして水を入れて伸ばす際には2カップを4回に分けて入れる。ここの成否でカレーの成否の8割は決まるとのこと。3回目を入れた状態でポテっとする状態まで煮立たせて、最後4回目の水を入れる。水を入れてはいるが、ベシャベシャにはなっておらず、こういう状態。鍋の縁にオレンジ色に染まったオイルが浮き上がっているといいそうだ。

 ちなみにタマネギをしっかり炒めたお隣さんはこんな感じ。なんかウチよりうまそうなんだけど。

鶏肉が入る。ここで水を入れてはいけない。まずは鶏肉の表面が白くなるまで強火で炒める。炒めることで骨のジュースが外に出始めるのだ。

鶏肉が炒められたところでお湯を足して、再沸騰したらココナッツミルクを足す。汁加減はヒタヒタで。あとは時折かきまぜながら30分ほど煮込んで最後の仕上げをする。

ちなみにしっかり炒めた隣の鍋はこんな感じ

その3へ続く。