伸びをする女
夜のスーバー。
もう22時を過ぎたというのに、まだ食料品売り場はお客でいっぱいだ。
家でパーティーでもするつもりなのか、若いカップル。
お弁当と発泡酒を抱えた、単身赴任のお父さん。
残り物の弁当と惣菜を総ざらえする、小汚いおばさん。
この時間なのに、幼子を連れて普通に買い物をする家族。
子供の発育のためにも、早く寝かせろ。
僕は、半額のシールが貼られた夕飯の惣菜1パックだけを持ってレジに並ぶ。
2人ほど前に、男と一緒に並んでいる女が横を向いて立っている。
結婚指輪をしていないので、恋人同士だろうか。
スレンダーとは言い難いが、太っているわけでもない。
美人とは言い難いが、ブスというわけでもない。
そんな中くらいの女。
背はどちらかと言えば高い方だ。165cmぐらい。
濃いベージュ色の薄手の綿のシャツ。サイズは小さめ。丈も短め。
ジーンズは少しだけ色落ち。
女は彼氏に買い物カゴは持たせて、自分は手持ちぶさた。
彼女は少しあくびをしながら、
組んだ手を耳の後ろから上げて、大きな伸びをする。
人目を気にする風もなく。
背中をやや反りながら、彼女のカラダが上に伸び上がる。
上げた腕につられて、短めのシャツの裾も上がる。
キャミソールを着ていないらしく、
シャツの下から生肌が露わになる。
ジーンズの上に、どっしりと乗っかった立派すぎる腹が。